倒れゆく日本の医療
倒れゆく日本の医療

叫ばれる医療崩壊と、人間たちの関わり合い

「救急患者の受け入れ不能」や「医師不足」など、日本の医療は完全に崩壊の道をたどっている。交通事故に遭っても必要な治療を受けられない、子どもを産む場所もない―そんな将来が目に見えている。一人でも多くの人にこの現状を知ってほしい。一記者Kより

 今回、ご縁あって医療についてのブログを書く機会を持たせて頂いた。私のような一般人にお声かけ頂いたことに、まずは、当ブログ開設者である敬天新聞社にお礼を申し上げる。

 私は医療や介護の分野のニュースを取材することを生業にしている。昼間はニュースを追って、霞が関や永田町などの国の中央から制度や政策の情報を集めたり、病院や診療所などの現場を回って現場の声を聞いたりしている。それらをまとめて、記事を書くのが日々の仕事だ。

 毎日、医療・介護のニュースや現場を追いながら、ただ一つ、間違いなく言えることは、

「日本の医療は崩壊しかけている」

これに尽きる。


 最近、ニュースでも救急車がなかなか救急病院に受け入れられない「救急患者のたらい回し」(本当はたらい回しではないので、今後は「受け入れ不能」と言う)や、産科や小児科などの医師がいない「医師不足」などが言われるようになった。
 夜勤明けでも手術をするなど、36時間以上の過酷な労働を強いられる医師達の「過労死」、最善の医療を尽くしたにもかかわらず、刑事事件として「不当逮捕」される医師達。国が少子化対策を唱える一方で、分娩制限をする医療機関の増加…。

 日本の医療にさまざまな問題が起こり、医療のシステムを持続することが難しくなっている。このままいくと、今までのように保険証一枚あれば、国内一律の料金で、どこででも医療を受けられるような、世界的にも優秀な日本の医療の恩恵に預かれる日は終わってしまう。日本の医療費抑制政策や、厚生労働省の制度設計、国民の意識など、さまざまに問題はあるが、歴史的、構造的に様々な問題が絡み合っているため、何が問題だと一口に言うことはできない。

 しかし、医療が崩壊しかけていることは事実だ。それを防ぐには、私たち一人一人が、現状を「知って」いくことしかない。

 このブログでは、現役の医療ニュース記者である自分が、今の日本の医療に何が起きているのかを伝えていければと思っている。

と、書くとなんだか難しくて壮大な医療崩壊論のようにでもなってしまいそうだが、こうした医療崩壊の構造についての議論は、医師たちによるブログなどで相当に深く議論されている。
(「新小児科医のつぶやき」(http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/)、「健康、病気なし、医者いらず」(http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/)などなど)。
 一記者の自分が、日本の理系の最高峰を歩み、医療現場で日々戦う現役の医師たちに追随するような医療談義をすることは無謀な挑戦だと感じるので、そうした情報を望まれる方はどうぞそちらをご覧いただきたい。現状の医療崩壊に声を上げる彼らの怜悧な意見と、深い洞察を見ることができ、自分も毎日拝読させて頂いている。

 このブログでは、一記者の自分が日々の取材の中で感じたオカシイ話や、「??」と感じる話を提供し、皆様に「こうやって制度設計はズレていくのか」「だからいつまでたってもよくならないのか!」などと感じる一助になれば幸いだと思っている。

 どこの業界でもそうだが、「問題」というのは、本当に複雑で難しい。「これが問題だ!」などと簡単に言えればいいのだが、そうはいかない。特に日本の医療は、構造がとてつもなく複雑なために、その「問題」が「問題である」と分かりづらい。
 そのため、私達の生活に結びついて問題が発生するタイミングが非常に唐突である。分かりにくいために問題として認識されず、分かった頃には私達の生活がおかしくなっていた、などということが往々にしてある。
(今回の後期高齢者医療制度もそう。この制度が決まった2年前から各種メディアは報道はしていたのだ)


 だから、その「問題」の周辺部の小話を提供しながら、皆様に問題の「像」を作っていただければと思う。

 ぶっちゃけ言ってしまうが、今回の医療崩壊は、ほっといても誰もよくしてくれない。

 銀行や会社がつぶれそうになったら、国がお金を工面してくれる。戦争が起こったら、自衛隊が前線で戦ってくれる。家で一人で死んでも、誰かが自分の亡骸を片付けてくれる。

 若干無茶な例を挙げたが、この医療崩壊だけは、これらと違ってほっといたら誰かが何とかしてくれる問題ではないのだ。なぜなら、崩壊に進む医療制度を作っている人間には、医療が崩壊しても困る人間がいないことが理由の一つにある。

 彼らは、自分や自分の家族に対する医療・介護だけは温存している。現に、そうした話をいくつも聞いているし、実際にそうしている。(だって、こんなにも救急の急性期治療後にじっくりと療養して回復するための慢性期治療ができる病院を、政策として減らしているのに、どうして官僚や政治家、権力者やその家族だけは、身近な病院に入院できているのでしょうかねえ・・・?)

 このままでは、金がなく、知識がない人間は、確実に医療崩壊にのまれて、死に至る。弱者は滅びるしかない。それが、国が毎日のように言う「効率化」だ。高齢者が増え、労働生産能力のない人間が増え過ぎた社会への対処方法だ。

 ではどうすればいいのか。

「知る」しかない。

「気付く」しかない。

 私たち、一般の人間が、この医療の現状について、何が起こっているかを知るしかない。私たちがかしこくなって、国や自治体、周りの人たちに対して何か言えるようになるしかない。そのためには、現状を知るしかない。

 別に、政治団体を作れとか、デモを起こせとか言うのではない。気付いていくと、自分たちの生活の範囲でできることが見えるのではないかと思うのだ。主婦たちの活動が、小児科医と産婦人科医を守った「県立柏原病院の小児科を守る会」(http://www.mamorusyounika.com/)などは、その好事例だと思う。何ができるかということ自体、自分自身で考えていくしかないと思うのだ。

 真面目に政治の話をするのはカッコ悪いとか言っている場合ではない。今この瞬間に、事故が起こって自分が病院に運ばれようとしても、救急車は受け入れられる病院がないために30分立ち往生、ようやく決まった受け入れ先の医師は当直明け36時間働き通しで過労がピークの状態、看護師は足りず、入院できるベッドもない。幸せに結婚して子どもができた。しかし産める病院がどこにもなかった。なんてことが、今後は日常茶飯事になるはずだ。

 今、私たちが気付かなければ、医療は崩壊してしまうのだ!

 私自身も、日々記者として仕事をしながら、ニュースソースを切り刻んでいる。ニュースとして報道する際に、捨ててしまうソースが多くあるのだ。だけど、それを一般の人に伝えるといわゆる「ウラ話」としておもしろくなるものがたくさんある。組織から給料をもらう人間であるということや、日々の忙しさに取り紛れて、そうしたソースをそのままにしてしまっていたが、こうやってブログという普段の自分とは違う非公式な形で発信していくことは、「自分の立場でできる何か一つのこと」だと思う。自分は媒体として、この社会の役に立てれば、と思ってこの機会を活用させて頂きたいと思った。

 一人でも多くの人が、医療の現状について知ることで、社会が動く底力が醸成されていってほしいと、願ってやまない。

記者K 拝
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