空売りによるハゲタカ投資家・江副浩正の錬金術
空売りによるハゲタカ

投資家・江副浩正の錬金術


風化した事件を冤罪騒ぎしても反論もなかろう

仕手筋未公開株背任事件 毎日新聞の政治部記者として、戦後政治を四十年間身近に見てきた政治ジャーナリスト・岩見孝夫氏の近著「平和日本はどこへ―政治編」でも、政界三大汚職事件の一つに挙げられているのが、造船汚職、ロッキード事件に並ぶリクルート事件だ。こうした点で誰が見ても、江副浩正が引き起こしたリクルート事件は空前絶後の大汚職事件なのである。
 この三大汚職事件には共通した特質がある。法務省・検察庁の人脈は法務官僚派の「赤レンガ組」と、ノンキャリアの検事を中心とする「現場検事派」の二つの流れで、この三大汚職事件の摘発は何れも現場検事派の主導によるものだった。
 第二はそもそもこの三大汚職事件の告発者が政治権力とは埒外の、言わばアウトロー的な存在による告発が事件発覚の端緒になっている事だ。その告発に検察庁が乗って鋭意摘発した事件であり、この点、この三大汚職事件の摘発は今批判されている国策捜査ではない。だからこそ、本紙のような「明確な国体観」に立つ告発新聞は「必要善」なのだ。
 それはともかく、最近の国策捜査批判に便乗してリクルート事件の首謀者・江副浩正を擁護し、田原総一朗が著した「正義の罠」は事実誤認の上で書かれた欺瞞本である。
 その江副浩正が復権を狙って、次々と著作を発表している。「リクルートのDNA(角川書店)」に次いで「不動産は値下がりする(中央公論社)」がそれである。
 江副浩正が引き起こしたリクルート事件の摘発から既に二十年も経過しており、事件が風化しているから、あの事件は「冤罪だ」と評論家の田原総一朗が書いても、今更反論できるジャーナリストは皆無だろう。だからと言って、事件そのものを「黒を白と言いくるめる論法」はジャーナリストの邪道だ。
 そのリクルート事件の中心人物である、江副浩正は「リクルートのDNAの中で同社出身の起業家が二十人も登場している事を例に挙げ、自分の事業感覚を受け継いだから多数のベンチャー起業家が生れたと自画自賛している。
 本当にリクルート事件を引き起こした当時の江副浩正の感覚はベンチャー起業家を多数排出させる程、斬新だったのだろうか。

創造的起業家とは言い難いリクルート社の原点

 「リクルートのDNA」を読むと、興味深い記述がある。「バブル期にノンバンクのファーストファイナンスや、不動産業のリクルートコスモスを急拡大した事や、コスモス株譲渡事件では世間に多大な迷惑をかけた」としつつ、当時「リクルートグループで一兆八〇〇〇億円余の借入金を残し私はリクルートを去った」と述べている。
 一介の求人情報誌発行会社に過ぎないリクルート社が何故、身分不相応な一兆八〇〇〇億円もの借り入れを行う必要があったのか、その目論見は何だったのかについて、江副浩正自身は何も語っていない。実はその巨額借り入れを行った無謀な経営感覚に江副浩正という企業化の全てと、空前絶後の贈収賄事件を引き起こす問題が隠されているのだ。
 東大在学中、江副の起業家への出発点となったのは、「東大新聞」の広告のコミッションセールスマンとなった事だが、東大卒後に江副はその仕事を元にして、後にリクルート社の母体となる求人情報誌発行会社を創業している。
 当時の江副は朝から晩まで東大の卒業者名簿を見ながら、片っ端から東大OBが経営者を務める企業に電話して接触する「コネを頼りにした起業家」で権威主義が垣間見られる事業開拓法であり、決して創造的な起業家ではなかった。
 こうした苦しい旅立ちから事業を発足させている江副だけに、求人情報誌という情報サービス産業には絶えず不安感と虚業性を感じ続けていたのだろう。その結果、後に事業に実体性を持たせようとしたのか、不動産取得に狂奔し銀行から金を借りまくって、その総額が一兆八〇〇〇億円まで膨らんだのだ。
 バブル崩壊後の「住専騒動」が国会で取り上げられた際、コリンズビルでさえ総額六〇〇〇億円しか借りていなかったのだから、それ以前にリクルートグループの借入総額が一兆八〇〇〇億円という巨額だった事は常軌を逸していた。自らが創業した情報産業としてのリクルート社を一切信頼せず、ただひたすら安直に金になる不動産漁りに狂った江副浩正の経営感覚が浮き彫りになる。

仕手筋の天井から売りをかけボロ儲け

 田原総一朗が著した「正義の罠」に江副の本質を指摘する文言がある。「広告情報誌では百億円の利益を上げるのに二十年もかかる。不動産だと百億円の利益を上げるには、上手く行く時なら五百億円で勝った土地が明日に六百億円、或いは七百億円になってしまう。そんな事を体験して全然スピード感に魅せられたのだと思います」との発言だ。
 この発言からも分る江副の経営感覚は「短期間に儲かるものなら何にでも飛びつく、浮利に狂った虚業家の姿」だ。
 現実にカネ儲けに狂奔する江副の価値観は株式投資に見ると分り易い。経営危機に陥ったリッカーに関して、その決算書類を外部に流布させて倒産に追い込みつつ、空売りまでして金儲けに狂う「江副の錬金術」が垣間見られるからだ。兜町で「空売り仕手筋」とまで異名を奉られた江副による空売り株は他にも幾つかある。
 東京株式市場はバブル崩壊後「空白の十三年」を経験するが、その東京株式市場の低迷期の平成七年から八年にかけて個人投資家を大儲けさせた異彩高の株があった。兜町の符号で「マッチ」と呼ばれた兼松日産農林株だった。
 兼松日産農林株は平成七年三月では株価が四百円弱だったが、その年の七月から急騰し、十二月には何と三千四百円まで暴騰した。仕手筋「旧・誠備グループ」の加藤舛買い本山だった。株式市場が低迷中だっただけに、個人投資家の多くがこの株にのめり込み、兼松日産農林株は平成八年五月には五千円台まで異常暴騰している。この時期に加藤舛和臂攬貮瑤隆慇抄箙坡瑤蘯螻櫃韻討い拭この株も異常暴騰していた。
 その東西二株式市場の二つの銘柄に空売り攻勢をかけて、大暴落させたのが江副浩正だった。何しろリクルート社の株式をダイエーに売却した事で数百億円もの現金を手にした人物が空売りをかけたのだから堪らない。この二銘柄は短期間に元の株価まで暴落してしまった。「江副が売りまくったから二銘柄とも潰された」とは、この時期、江副と取引があった三洋証券のJの話だ。
 株は買って儲けるだけが株ではない。時には急落している株の「下落のサヤ」で儲ける空売りも株式投資のテクニックで、空売りという呼び名の響きは悪いが、悪材料の流布などをしない限り法には触れない。

リクルートの発展は社員の心機一転によるもの

 今、世界の金融情勢を大混乱に陥れている米国で発生したサブプライムローン問題に関して、世界経済が危機に直面しているさ中、当の米国では、その「サブプライムローンで四千五百億円の利益をあげた(東京新聞平成十九年十二月十五日)」ハゲタカ証券、ゴールドマンサックスの空売り戦術が、ニューヨークのウォール街で「結果的に顧客が多額の損失を蒙ったとして同社の姿勢に強い疑問が示されている(東京新聞・同日)」程だ。たった一人が自己の利益のみを追求して多数の投資家に大損させた行為に対し、米国でも非難轟々なのだ。
 この米国でサブプライムローンを空売りして巨額の利益を出したゴールドマンサックスこそ、日本のバブル崩壊の契機となった東京株式市場の大暴落を演出した元凶そのものである。結果、日本経済は「空白の十三年」を経験する未曾有の景気後退が始まったのだ。
 平成八年七月、空売り仕手筋の江副浩正に狙い撃ちされた兼松日産農林株と関西銀行株は大暴落し、同年九月三十日に兼松日産農林株は千二百円まで急落した。もっと悲劇的だったのは、関西銀行株である。連日ストップ安を繰り返して急落した。
 その結果、この二銘柄を買っていた個人投資家が数万人も大損している。当時、大損した個人投資家の中には「江副を殺してやる」とピストルまで用意した人物もいたなどと物騒な話が兜町で流れた程だ。
 この二銘柄を積極的に顧客に薦めていた日興証券系の東京証券だけでも数千人の顧客が数千万から億単位で大損したといわれ、結局、これで顧客の信用を失った東京証券は後に経営危機に陥り、東海マルマン証券との合併を余儀なくされた程だ。ここまで中小証券と個人投資家を泣かせた江副浩正によるハゲタカ錬金術は残忍だ。
 リクルート社時代に不動産と株式投資という浮利に取り憑かれたハゲタカ江副浩正は「リクルートグループで総額一兆八〇〇〇億円の借入金を残しリクルート社を去った(リクルートのDNA)」が、その同社が後の「住専騒動」に巻き込まれず経営が立ち直ったのは、残った社員が浮利を追う江副の錬金術を切り捨てて未来志向型の情報産業として「江副のDNAを捨てた」からではなかったのか。それを認めない江副浩正は事業家以前に社会人としての謙虚さが今でも足りない。このハゲタカ野郎めが…。
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